2024年の8月に設立した弊社(合同会社えいおう)も早いもので1期目の決算を終了し、法人としての2期目がスタートしています。
設立してから間も無く、法人としての実績もない弊社へ依頼をいただけているすべてのクライアント様に、この場をお借りしてお礼申し上げます。
ここでは法人1期目を終えての個人的な感想や所感、そして提供させていただいているサービスの改善方針、2期目以降の目標について記載させていただきます。
目次
弊社のコンサルティングサービスの背景と方針について
改めてお話ししておくと、そもそも弊社は
- 事業戦略コンサルティング
- マーケティングコンサルティング
という2種類のコンサルティングサービスをメインにご提供しております。何かを作り上げて商品販売するような有形商材ではなく、知識や経験をもとに事業を拡大していく無形商材です。一般的に情報商材と混同されることもあり、コンサルティングという言葉自体に良い印象を持たれていない方も多いはず。弊社としてもコンサルティングという言葉に対しては少し違和感があるものの、自分たちが提供するサービスを総表する言葉が見つからないので「コンサルティング」と謳っているのが実状です。
一般的には「ちょっと怪しい」と感じられる分野であるからこそ、弊社は自社の方針と体制で他社のコンサルティングサービスと差別化しております。
机上の空論にならないコンサルティング
そもそも、事業戦略やマーケティングを体系的に勉強するような学校は存在しません。日本の義務教育(小学校、中学校)ではもちろん、高校でも専門的な学科はないのではないでしょうか?代表である私自身、事業や経営、マーケティングについて学校で学んだ経験はありません。
身近なところで中小企業診断士、大きなところでMBA(経営学修士)など ”経営コンサルティング” を行なっている方たちの取得している資格や学位は存在します。私はそういった資格や学位を取得しているわけではないため、そのような方達と比較すれば ”モグリ” のコンサルタントに見えるかもしれません。実際のところそう言われてしまえばそうなので、何も反論はないのですが…。
しかし、学術的に経営や事業を学んできたからといって、現実的な事業を成長させられるとは限りません。これは私自身が別の事業会社を経営する中で、そういった経営コンサルタントの方に依頼をした経験からの意見です。
PL(損益計算書)やBS(貸借対照表)を年間、月間のスパンで確認し、さらに店舗の売上表や商品価格を確認。その上で商品価格を変更したり、原価を調整したり、流動資産の活用方法を変更したり…、よく見る数字での経営改善を行ってくださるコンサルタントさんが多いのですが、実際の事業を動かしているのは現場です。
こんなことを言ってしまうと元も子もないのですが、数字はあくまでも現場での事業が進んだ末に出てくる結果でしかありません。数字を改善するためには、より生の事業に近い場所である現場を把握して改善していかなければいけないのです。そう言った点だけで言えば、数字を見て経営側に立った指示を出すような経営コンサルティングで、自身の事業に対して結果が出たことがありませんでした。
なので、弊社が行うコンサルティングサービスはあくまでも現場に則したものを意識しており、現場の数字を汲み取った上で、どのように現場で変化を埋めるかをポイントとした改善です。もちろん数字を確認して改善施策を組み立てていくのですが、「それを現実的に現場で実行することができるのか」、「実行した結果を最速で確認できる場所はどこか」、「現場の中でPDCAサイクルを回す仕組みは作れるのか…」、など現場で常に改善が回せる仕組みで構築します。
コンサルティングサービスという無形商材であるからこそ、机上の空論で終わらずに現場で生の改善を促し、その結果が数字として返ってくるような仕組みで実行します。
頭でっかちにならない現実的な支援
コンサルティングサービスを提供する側であるからこそ、日々の勉強を怠らないことも重要です。事業の仕組みや現代的なマーケティング、財務的な知識まで、勉強しなければいけない項目は多岐にわたります。私自身、本で勉強するだけではなく移動中にはYouTubeやAudibleを活用して、ほんのちょっとの隙間時間でも知識を取り入れることを意識しています。
さらに知識をインプットするだけではなく、復習も兼ねて自社のブログコンテンツとして発信するアウトプットも行なっております。
「インプットからアウトプットまでを一貫して行うことによって、クライアント様とのミーティングなどリアルな現場で即座に返答が出来るようになる。」という持論です。
勉強を進めることによって自身の知識は増えていくのかもしれませんが、いくら知識が増えても知識はお金(売上)と等価交換できません。その知識を活かして何を行うか、その行なったことに対しての結果としてお金(売上)という指標が返ってくるものだと認識しています。
そこで、弊社はコンサルティング事業だけではなく他にも実務を伴う事業を展開しています。
- ネットショップの運営
- 店舗事業
- ウェブサービスの展開
- マーケティングに関わる施策の実務提供
などを行うことにより、自社自身が事業を展開して売上を上げることを目指しています。
もちろん全てが全て上手く回るわけではないのですが、上手くいかない事業があるからこそ、改善施策を自身のものとして構築しています。その施策のケーススタディをもとにクライアント様の事業改善へと展開させていただくのが、弊社のコンサルティングサービスです。
なので、弊社のコンサルティングサービスは数字の話だけではなく、現場の施策構築と実務実行までを支援するサービス。理論ばかり語って現場を動かさない頭でっかちのコンサルティングではなく、実際に売上を上げていくことにフォーカスしたサービスを展開します。
クライアントの成長を超える自社成長の必要性
弊社は大きく分けて、事業戦略コンサルティングとマーケティングコンサルティングの2つのコンサルティングサービスをご提供させていただいております。基本的にはマーケティングの思考を軸とした事業成長のための支援を行っており、事業モデルやフェーズに合わせて事業全体の戦略支援を行うのか、マーケティング部分の支援を行うのかをご提案させていただく形です。
コンサルティングというのは無形商材であるため、なかなか実態を認識していただきにくいものです。さらに実務提供ではないものの、決して安くない費用をかけていただいております。
その中で弊社へご依頼いただいているクライアント様には、感謝申し上げます。
事業戦略、マーケティング、どちらのサービスもクライアント様の事業を成長させるためのコンサルティングです。なので、クライアント様の売上や利益を拡大していくことはもちろんなのですが、そのためには自社(えいおう)の成長も必要になってくることを大きく実感した1年でした。
支援範囲の拡大よりも細かな調整が重要
現在は福井県を中心に活動しており、クライアント様も北陸を中心とした中小企業様が大多数となっています。売上規模数億円〜数百億円規模のクライアント様に対して、事業戦略やマーケティング部分の支援をさせていただいております。
特に事業戦略という面では、事業自体の拡大を行うために広範囲での知見とスキルが求められます。弊社としてはクライアント様の事業を自分ごととして進められるよう、コンサルティングサービス以外に自社事業も数多く展開しております。実際に自身が自分の事業を展開することにより、クライアント様が事業で困るポイント、解決策、事例などを集めることが目的です。
事業の支援と一言にいうと幅が広いものであるため、事業開始初期には広範囲の支援が可能になるよう様々なケーススタディを集めていきました。
- ビジネスモデルの開拓
- キャッシュポイントの拡大
- 財務、税務の知識収集
- 持続可能な組織構成の手法
- 各種マーケティング手法の分析
- オンラインとオフラインの連携
など、事業に対して考え得る限りの知見とスキルを集める方向性で拡大を目指しておりました。
しかし、実際にクライアント様の事業に参画させていただくと、より重要なのは広範囲での支援ではなく、細かなポイントに対しての調整作業であることがほとんどです。細かな調整といっても手法一つ一つの効果改善というポイントではなく、
- 事業戦略における集客手法の確立
- 商品やサービスのコンセプト設計
- ペルソナに対してリーチする媒体設計
- 既存ビジネスを活用したマイクロ収益の拡散
など、全く新規で施策を立案するのではなく、すでにあるものに対してアジャストする方向で支援を行う方が効率的に成果を上げられています。大きない改革を行なってビジネス全体を動かすという考え方よりも、既存ビジネスの細かなポイントに対して修正と改善を繰り返していくことによって、着実に事業を前進させる方法がマッチしていました。
その点、弊社の事業開始初期はまだまだ細かな手法に対しての知見が乏しい部分があり、クライアント様の支援をさせていただきながら各業者様との業務提携を進めております。
今後、コンサルティングサービスとして大枠を整えるだけではなく、その中で発生してくる各種実行施策に対しても弊社がワンストップで対応できる体制を構築いたします。
財務と資金調達に対しての知見とスキル
弊社はマーケティングを軸とした事業戦略コンサルティングを行なっておりますが、どうしても投資からのスタートになるケースが多くなります。事業モデルの組み直し、新規集客の拡大、商品やサービスの改修、ペルソナに対してのコンセプト設計…、など売上や利益の拡大を目指した施策を実行するためには初期投資が必要となるのが前提でした。
しかし、中小企業として急に多額な出費を伴う改革は非現実的です。さらに弊社のコンサルティングフィーが発生している状態では、当然ながら事業に対しての支出がかさんでしまいます。
そこで、事業初期から財務と資金調達に対してのケーススタディを集める施策を同時進行しております。事業主様として身近な銀行融資の活用だけではなく
- 補助金や助成金の活用
- クラウドファウンディングの活用
- 株式を伴わない出資者集め
などを実行して資金を集めるとともに、
- ビジネスのマネタイズポイントをずらしたキャッシュフローの改善
- 商品やサービス単体の利益率改善、利益増額
- 事業全体を通した支出の最適化
などを行い、改めて資金を事業拡大のための武器として効率的に活用できる体制を整えています。
事業として当然である「入金を早く尚且つ多くして、支出を遅く尚且つ少なく収める」ことに注力した戦略設計を行なっています。
弊社コンサルティングサービスの改善
まだ1年という短い期間ではありますが、事業戦略設計、マーケティング支援、それぞれのサービスを提供させていただいて見えてきたポイントについては、即座に改善する体制としています。1年という期間は一般的には短く映るかもしれませんが、1つの事業としてみれば1期が終わるという大きな節目を意味します。もちろんそれは弊社だけではなく、弊社と契約いただいているクライアント様に対しても同じです。
「明日やろうは馬鹿やろう」の精神で、弊社のサービスに対しても気づいた点は即座に修正し、改善したサービスをクライアント様へご提供できるよう心がけております。
事業戦略コンサルティングの改善
弊社の事業戦略コンサルティングは、事業全体を段階的に細分化し、それぞれのポイントに対して手を入れていくような手法です。売上を構成している要素を細分化し
の各ポイントから改善点を見つけて施策へと移っていくこともあれば、事業全体を細分化し
のそれぞれの箇所に対してテコ入れをしていくこともあります。ただ単に思いつきの話をするコンサルティングではなく、しっかりと現状を細分化して分析し、実働を伴う改善施策の立案、実行までを行なっています。先生と生徒の関係性でただ理論をこねくり回すような話はせず、パートナーとしてともに目標達成に向かっていくような体制を取っています。
と言っても前期を振り返ってみると課題はたくさんあり、特に人材面で大きな壁を感じました。
人材マネジメントと組織構築の重要性に気付く
人材といっても弊社の人材ではなく、クライアント企業のスタッフ様のことです。
弊社の提供サービスはコンサルティングという形を取っているからこそ、弊社だけの実働で事業を回していくことはありません。あくまでも全体設計を共に行い、その後の施策実行に関してはクライアント様と一緒に実行したり、ある程度の部分についてはスタッフ様にお任せすることもあります。
この場合、設計をしているのは弊社でありながら、その設計と計画から出てきた施策を実行するのはスタッフ様となります。そこに認識の壁が存在してしまい、施策が上手く回っていないケースがいくつか見受けられました。
弊社もクライアント様とはパートナーとして関わらせていただくスタンスであるため、施策が遅れている現場に対してはスタッフ様と親身にやり取りをしながら進めています。しかし、スタッフ様としては
- 経営陣からの無理な指示があって時間が足りない
- 自分の成果として評価されていないんじゃないか
- 自分がやりたい事と上から言われている内容が違って、どうしても進まない
というよう悩みを抱えておられました。数字を上げていくという点だけにフォーカスしていれば、弊社の事業設計に沿った戦略が実行されており、着実に数字も上がってきている状況。しかし、実際に現場で働いているスタッフ様は別の箇所に不満を抱えている。
こと人材マネジメントや組織論については、事業戦略コンサルティングとは外れた分野になるのかもしれません。しかし弊社としてはクライアント様とパートナーというポジションで関わっていく以上、一緒に働いてくださるスタッフ様にも期待を持って実務を行っていただきたいのが本音。
クライアント企業の社長様をはじめとした経営陣とタッグを組んで進めるのはもちろんなのですが、実際に事業を動かすのは現場のスタッフ様です。だからこそ弊社は現場のスタッフ様ともしっかりパートナーシップを取って、事業展開していきたいと考えています。
弊社が求めているのは短期的な売上や利益の拡大ではなく、短期、中期、長期とフェーズに沿って着実に伸ばしていけるような事業戦略です。そのため、スタッフ様が満足して働いていただけないことには、持続可能な事業戦略を組み立てることはできません。
今期からは事業戦略の一環として、人材マネジメントや組織構築に関しての知見も広め、その分野でもクライアント様をサポートできる体制作りを進めています。それには弊社だけではなく、その道のプロフェッショナルをアサインすることも視野に入れた展開を目論んでいます。
マーケティングコンサルティングの改善
弊社のサービスとしては事業戦略のコンサルティング契約が多いのですが、事業戦略コンサルティングも元はマーケティング思考を軸とした展開となっています。それだけマーケティングというものは弊社の事業にとって根幹となるもの。
事業戦略とも被りますが、マーケティング戦略の入り口となるのは集客面の改善です。まずは全体の母数を増やすため、いかに集客できる体制を作れるかがマーケティングのポイントとなります。集客のために
- 商品やサービスのコンセプトメイキング
- ブランドとしての認知拡大
- 対象顧客となるペルソナ設計
- オンライン、オフラインを含めた集客施策の立案
を行なっています。良いものを作っていれば売れる時代はとうの昔の話で、現代ではモノが溢れてしまっているため消費者に見つけてもらうだけでも一苦労。さらに情報も溢れている時代であるため、商品やサービスを見つけてもらっても、そこから比較検討されるフェーズが必要となります。
ただ単によく言われるようなマーケティング施策を実行するだけでは効果がなく、市場と時代の流れを読み取った施策構築と実行、分析が求められる時代になっていると感じます。弊社としてもさまざまなリサーチからクライアント様を支援させていただいており、前期はマーケティング面でも多くの成果を出すことができました。
と言いつつも課題はあります。それが施策の実行フェーズ。
マーケティング施策の実行までをワンストップに
弊社クライアント様は中小企業が多いのですが、中小企業といっても幅は広く
- 自社にマーケティング部署を構えている企業様
- マーケティングはおろか、ホームページ編集すらも自社では行なっていない企業様
と分かれています。弊社のマーケティングコンサルはウェブに限ったものではないため、必ずしも社内にウェブが触れるスタッフ様が常駐する必要はありません。しかし時代に合わせたマーケティングを行っていこうとすると、どうしてもウェブ施策は切り離せません。
そこで、今までは支出削減のためにマーケティング施策についてはなるべくクライアント様の社内で実行できるように考えていました。戦略の構築から施策の立案までを弊社が行い、実際の施策実行部分については弊社がスタッフ様と連絡を取り合いながら進行していくようなケースが多くあります。
クライアント様の社内に実行できる人がいない場合は外注先を一緒に探して、クライアント様が長期間無理なくお付き合いできるような体制構築を行いながら、アウトソーシングしていく体制づくりを行なっていました。
しかし、社外に依頼する(アウトソーシングする)場合はどうしてもタイムラグが大きくなってしまったり、コミュニケーションコストがかかってしまったり…、と目に見えない問題が後々になって発生してきています。最初からわかっていた事ではあるのですが、その損失までを許容して事前に戦略設計することはなかなか難しいものです。
そこで、今期からはそのようなマーケティング施策の実行までを弊社が行えるような体制づくりを進めています。ウェブだけでなく、オフラインについても弊社で一手に引き受けてスピーディかつクオリティを落とさない施策実行を目指します。社内スタッフはもちろんですが、知見を持ったプロフェッショナルに協力してもらうことも視野に入れて拡大中。
あくまでも陣頭指揮を弊社が取ることにより、クライアント様には本業に集中していただきながらマーケティング施策を効率的に実行できるようになります。
2期目もやるべきことを愚直に進める
1期を終えて様々なクライアント様と関わらせていただいたことにより、弊社のコンサルティングサービスにおいての課題がたくさん見えてきました。課題点については極力その場で改善するように心がけていますが、中には体制づくりが必要になってしまったり、別の知見が必要だったりとクライアント様を待たせてしまっているのも現状です。
ただ、弊社としては「机上の空論ではなく、実際に売上を上げるためのコンサルティング」を目指して、できることは全てやり抜く所存です。真新しく見栄えがするような施策を行うのではなく、実際に売上や利益、事業の目標を達成するために必要と思われる要素を洗い出し、その点にフォーカスして最短距離を進みます。
私たちは、目立って名前が売れて有名になるコンサルティング会社ではなく、クライアント様の後ろで経営を支え続けるような知る人ぞ知るコンサルティング会社であり続けようと考えています。むしろ自社の名前は広く知られなくても、実際に提供しているサービスでクライアント様に成果を実現することだけを目標に進み、クライアント様と一緒に目標達成を喜べる存在でありたい。
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