ネットショップを運営していながらも、なかなか売上が拡大していかない企業様は多いはず。弊社クライアントの中にも、10年以上ネットショップを運営しているが売上が100万円に到達しないと相談いただく企業様がおられました。商材単価が5,000円ほどなので、100万円の売上は何も夢を見ているような数字ではないはず。
そういったネットショップ運営をされている企業様の大きな問題点はリピート顧客の創出に注力していないということ。ネットショップで商品購入してくれるお客様を新規顧客(初めて商品を購入してくれる人)とリピート顧客(自社の商品を購入した経験のある人)に分けた場合、大きな売上を作っていくのはリピート顧客なのです。
この記事では、マーケティングを軸に過去数十社の事業設計コンサルティングを行ってきた弊社が、ネットショップ売上拡大に繋がるリピート戦略についてご紹介致します。
ネットショップの導入については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

「ネットショップを始めたいけれど、何から手をつければいいのかわからない…」そんな悩みを抱えていませんか? ネットショップの導入は、正しいステップで進めれば初心者でも成功できるビジネスです。しかし、適切な手順を踏まないと「集客がうまくいかない」「売上が伸びない」といった課題に直面してしまうことも...
目次
新規顧客の獲得コストはリピート顧客の5倍!?
ネットショップを運営していると、どうしても新規顧客獲得に対しての施策を打ち出したくなるものです。新しい顧客を獲得するため、広告配信をしたり、SEO対策を行ったり、SNS投稿をしたり…。しかし、実はネットショップ売上を拡大するために重要なのは新規顧客の獲得よりもリピート顧客の獲得なのです。
これはマーケティング界隈でよく言われる話なのですが、新規顧客を獲得するコストはリピート顧客を獲得するコストの5倍もの費用がかかると言われています。ユーザーを呼び込むための広告販促等にかかるコストが数倍かかるということになり、それほど新規顧客の獲得は大変。一方、リピート顧客の獲得に対してはそこまで大きな費用がかかりにくいのが現状です。
リピート顧客を増やすことは、集客費用を抑えられ、なおかつ大きな売上を上げる可能性があるということです。
2:8の法則(パレートの法則)
マーケティング界隈ではよく2:8の法則(パレートの法則)と呼ばれるものを耳にします。実は多くの集合した物事は2:8の割合で分類されます。
このパレートの法則は、顧客全体の2割である優良顧客が、売上全体の8割を上げているというものです。優良顧客と通常顧客の人数は2:8で分類され、それぞれの売り上げは8:2で分類されるということ。ここでいう優良顧客というのは、あなたのショップを頻繁に利用してくれており、売り上げに貢献してくれている顧客のことを指します。つまり、リピート顧客のことです。
この理論をもとに考えると、顧客全体の2割をリピート顧客にすることができれば全体の8割の売上が確保されます。リピート顧客なので、来月も再来月も同じような売上(全体の8割)を上げてくれるでしょう。売上全体の8割です。月商100万円のネットショップであれば、80万円がリピート購入ということ。リピート顧客を大事にすべき理由が少し分かってきたのではないでしょうか。
上で述べたように、新規顧客獲得に対してのコストはリピート顧客獲得に比べて大きくかかってきます。だからこそ顧客全体の2割だけでもリピーターにし、8割の売上を確保することができれば利益をグッと引き上げることが可能。。
リピート顧客は購入に対しての事前知識がある
リピート顧客を獲得した方が売上に繋がりやすい理由として、リピート顧客はあなたのショップや商品に対して事前知識を持っていることが挙げられます。
初めてあなたの商品を購入するユーザーの場合、もちろんその顧客はあなたの商品を調べているでしょうし、他社製品との比較もしているかもしれません。多くの顧客はあなたが思っている以上に、販売会社の情報まで調べているのです。「本当にここで買って大丈夫なのか?」「実在する会社なのか?」と会社のことまで調べるユーザーがたくさんいます。
しかし、リピート顧客の場合、あなたの商品について知っていますし、あなたの会社についても知っているでしょう。あなたのネットショップで商品を購入して、ちゃんと商品が届く安全性も感じてくれているはずです。そういった意味で、リピーター(一度でも利用してくれている顧客)は事前知識があるため購入までのハードルが低くなっているのです。
逆に、新規顧客に対して販売するためにはその情報ハードルを超える必要があります。しっかりと商品情報を説明し、会社についても紹介し、配送についても安心してもらう必要があります。そういった新規顧客だけに発生するようなハードルがない分、リピート顧客の獲得にはコストがかかりにくいと言えるでしょう。
ユーザーとの接点(連絡手段)がすでにある
あなたのショップで商品を購入してくれた顧客をリスト化していますか?リピーターを獲得するためには、しっかりとした顧客リスト管理が重要です。昔の商人は、火事が起きた時に商品が燃えても、顧客名簿だけは井戸に投げ入れてでも燃えないように守ったと言われています。商売をする上で顧客リストというのはそれほど大事なものです。
ネットショップで重要な顧客リストというのは住所、名前だけではありません。電話番号、メールアドレス、購入した商品、購入回数、購入頻度などをしっかりと記録しておきましょう。一般的なネットショップサービスであれば、デフォルトでそういった顧客リストを管理する機能が備わっているでしょう。
通常の新規顧客の場合、顧客にあなたのショップを見つけてもらわなくてはいけません。仕組み上、こちらからアクションを取ってプッシュ型の営業をするというのは難しいのです。しかしリピート顧客の場合は違います。電話番号、メールアドレスがわかっているということは、こちらから連絡を取れるということ。
一般的に顧客を集めるときに広告を配信したり、SEO対策をしたり、SNS運用をしたり、DMを配布したり…、と様々な手段で集客を行います。こういったものは広告費用も代行費用もかかるため、一つの施策を行うためには予算取りをしっかりとしておかなければいけません。しかしリピート顧客にアプローチする場合、連絡先情報をすでに保有しているためその連絡先に直接営業することが可能です。
個人の趣味嗜好に合わせた提案ができる
これはオンラインビジネスの大きな強みでしょう。
通常店舗の場合、すべでのお客さんの購入履歴を管理しておくのは大変です。しかしネットショップの場合、上で述べた顧客リストの中に購入商品が自動登録されるような機能があります。各々の顧客がいつ、何を買ったのかの履歴が分かっているのです。これはネットショップを成長させるために非常に大きな情報です。
新規顧客を獲得する場合、顧客像をイメージして「こんなお客さんはこの商品を買ってくれるであろう」という予測のもと集客を行います。予測があっているかどうかは分からない状態で集客に多額の費用をかけなければいけないのです。さらに、商品を買ってくれる可能性があったとしても、その顧客が本当にその商品に興味を持っているかは分かりません。
しかし、すでにその顧客が過去に購入した商品が分かっていたとしたらどうでしょう?「この商品を買ってくれたから、これもおすすめしよう」という形でおすすめ商品をピックアップしやすくなりますね。シーズンに合わせた商品展開の紹介や、セット商品の紹介、色違いやサイズ違いなどバリエーションの紹介もできるでしょう。過去に購入した物が分かっているというのはマーケティングコストをグッと抑えるポイントです。
リピート購入を促す方法
では、実際にネットショップでリピート購入を増やしたい場合、どのような方法が出来るでしょうか。リピート施策というと極端に難しく考えてしまう方もおられますが、実は簡単なことから始められます。特別な知識が必要なものでもなく、実は皆やっていないだけなんです。他社がやっていないからこそ、いち早く手を付けてリピート顧客の囲い込みに成功すれば、ネットショップの売上をグッと上げることが出来るでしょう。
顧客リストを管理する
まず第一に顧客リストの管理を行うことが必要です。顧客リストを作っていなければリピート顧客を増やしていくことは難しいでしょう。
- 名前
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 過去の購入履歴
まずはこれくらいの項目を管理しておくのが良いですね。全ての情報を常に使用するわけではないのですが、ネットショップのフェーズによって必要になる情報も変わるため、最初からしっかりと管理できる体制にしておきましょう。ネットショップシステムの中だけで管理するのは不安なので、Googleのスプレッドシートに書き出して保存したりするのもおすすめです。
メールマガジンの配信
簡単にできるリピーター施策としてはメルマガの配信が一番メジャーでしょう。顧客リストからメールを配信しても良いですし、ネットショップにメルマガ機能が付属しているシステムもあります。
昨今、メールを見る顧客は少なくなったのでメルマガは効果がないと言われることもありますが、実はそんなこともありません。商材によっては効果が薄いものもあるかもしれませんが、弊社で支援しているクライアントはメルマガをしっかり配信し始めてから成果が大きく上がっています。
メールマガジンと言っても自身のブログのような内容を配信しているのでは意味がありません。しっかりと購入に結びつけるための施策が必要です。
定期配信メール
メルマガの入り口としては普通に配信するメールが取り組みやすいでしょう。メールで商品販売まで結びつけようと思うと、どうしてもメール冒頭から商品の販売をしてしまいがちです。しかし、そういった営業色の強いメールは顧客に敬遠され、メールを開いてくれなくなる可能性もあります。
通常のメールの場合、顧客のニーズを拾うコンテンツが必要です。顧客のもとには様々なメールが届いていることでしょう。その中で「ちょっと開いてみようかな」とあなたのメールに目を止めてもらう必要があるのです。これはタイトルを無理に目立つようにしたり、変に時事ネタを盛り込んだりするような方法ではいけません。自社の顧客は何を求めているのかというポイントを深掘りし、その需要に対して刺さるコンテンツを配信します。
例えば、弊社のクライアントでお米を販売している会社様がおられます。お米を販売している会社だからメール配信でそのままお米を販売するというのはちょっといただけません。メールを受け取る顧客はすでに米を買っている顧客なのですから、そこに対して追加で米を売りつけられても何も興味を示しませんね。
そこで、メルマガでは「オーガニック素材を使用したカレールー」や「レンジでチンして食べれる無農薬パックご飯」などを販売しています。顧客が購入したであろう米にあう食材を販売したり、米に満足してくれた顧客に対して更に手軽さを売るような訴求です。
実際、このメールから非常に大きな売上を上げています。
商品購入後のステップメール
商品を購入してくれて顧客をそのまま手放す必要はありません。購買行動をとった人というのは、抱き合わせで他の商品も購入してくれる可能性が高くなります。よくいうところの「財布の紐が緩んでいる」状態にあるのです。そのため、商品購入を起点としてメールを配信していくステップメールという手法がリピート購入に対して有効です。
ステップメールというのは、商品の購入日、購入から3日後、7日後、2週間後、1ヶ月後といったように商品の購入を起点とした日数で順々にメールを配信していくような仕組みです。追加購入を促すというのも、商品紹介をするだけではありません。3日後にはセット商品を案内し、7日後には購入した商品のレビューを依頼し、1ヶ月後には購入者限定のお得なクーポンを配布するといった形で、内容を変えて段階的に再購入意欲を膨らませるような施策が大事です。
また、ほとんどの顧客は商品を購入したネットショップの存在を忘れてしまうため、顧客に忘れられないようにステップメールで関係性を繋ぎ止めておく効果もあります。ステップメールはリピート創出に非常に効果的なのですが、使い方によっては「うざい」と思われてしまう可能性もあるため、コンテンツに関してはストーリー仕立てでじっくりと考慮しましょう。
カートに商品が残っていることをリマインドするメール
これはネットショップの機能に左右されるメールですが、ネットショップの中にはカゴ落ち防止機能が付いているものがあります。カゴ落ちというのは、商品をカートに入れたのに購入まで至らないユーザー行動を指します。あと一歩で購入してくれるのに、その手前でなぜかネットショップから離脱してしまっているユーザーをカゴ落ちユーザーと呼ぶのです。
そんな時、「まだカートの中に商品が残っていますよ」というメールを自動で送ってくれる機能があります。これがカゴ落ち防止メール。弊社でも積極的に使用しているネットショップシステムのShopifyにはこのカゴ落ち防止メール機能が備わっており、顧客が離脱すると自動的にメールで本人にお知らせしてくれます。
「そんなメールを送るだけで買ってくれるのか?」と疑問に思う方もおられるかもしれません。しかし、実際に送ってみると一定の確率(約15%ほど)でメールに気付いて商品購入してくれる顧客がいます。その中には購入を忘れていたわけではなく、「やっぱり高いからまた今度にしようかな」という感じで離脱しているユーザーも存在します。そういった顧客がいることを想定して、カゴ落ち防止メールの中に次回から使えるクーポンの案内や、キャンペーンの案内を含ませると購入に至る確率も高くなるでしょう。
SNSのフォローを促す
ネットショップのリピート購入を促す施策は、何もネットショップの中だけにとどまりません。メール以外にも公式SNSをフォローしてもらうことで関係性を繋いでおき、次回の購入へ結びつける手法もあります。
昨今はほとんどの企業が公式SNSの運用をしているかと思いますが、しっかりと効果が出せている企業はまだまだ少ないのが現実。その原因は商品を売ろう!という気持ちが前面に出過ぎていることにあります。SNSというのはソーシャルネットワーク、つまりユーザー同士のコミュニケーションを取る場所です。大事なのは商品をアピールすることではなく、コミュニケーションを取って関係性構築をしていくことなのです。
ネットショップに公式SNSのセクションを掲載し、購入後の自動返信メールにもSNSへのリンクを設置し、さらには発送した商品の同梱物の中にも公式SNSの案内を入れる。といった形で、顧客が目にするさまざまなシーンでSNSの案内を入れることがおすすめです。
フォロワー限定のクーポンを配布
SNSをフォローしてくれていても、その投稿まで見てくれているかというとちょっと不安ですよね。商品の紹介ばかりの投稿では顧客は離れていきますし、せっかくフォロワーになってくれたのにフォローを外されてしまう可能性もあります。そういった時にはフォロワー限定の企画を行うことがおすすめ。
公式SNSをフォローしている人だけが利用できるクーポンを配布したり、1日限定のキャンペーンを開催したり。フォロワーだからこそ特別待遇しているようなアピールをしていくのは大事です。ユーザーからするとあなたのアカウントは数多くのフォローしているアカウントの一つでしかありません。どれだけ頑張って投稿していても、数百のうちの一つとしてしか見られていないのです。
だからこそ、フォローしてくれている人に対してはフォローする意味をはっきりさせておくのが効果的でしょう。
商品の同梱物を活かす
リピート顧客を作り出すのは何もオンラインの活動だけではありません。オフラインの活動でもしっかりとリピーターの創出が可能。中でも商品同梱物を活かしたリピーター戦略は非常に有効です。
通常、顧客が手に取ってみれるものを送ろうと思うとDMなどを郵送するしかありません。これは住所が予めわかっていないと送れませんし、さらに誘導するだけでも送料がかかってきます。10人、20人なら良いかもしれませんが、成約率(購入率)を2%と仮定すると100人に送って2人が買ってくれる程度の確率。つまり、DMだけでやっていこうとする場合、2人の売上を作るために100件の送料がかかってしまうのです。
その点、商品同梱物を活かしていけば送料は0(商品送料のみ)。商品を購入してもらったら絶対に送るので、販促物も一緒に送ってしまいましょう。
送料がカットできるだけではなく、同梱物として送ることができればほぼ100%の確率で顧客の目に留まります。DMは郵送したとしても中身を見ずに捨ててしまう人がいますが、商品の梱包を開けない顧客はいないので商品の上にパンフレットやカタログを入れておくことによってほぼ100%見てもらうことが可能。更に、顧客が商品梱包を開けるのは商品への期待が高まっているタイミングであるため、同梱物の販売訴求も効果が高くなりやすいです。
ショップカード
商品同梱物としてショップカードを入れている企業様は多いですね。Amazonや楽天、Yahoo!などの大手通販サイトで商品を購入した時には必ずと言って良いほどショップカードが同梱されています。よくあるのはネットショップのURLや会社情報、製品情報が記載されたシンプルなものが同梱されているケース。
しかし、リピーター戦略としてショップカードを作成するのであればしっかりと目的を持ったショップカードの制作が必要です。そのショップカードを手に取ったユーザーがどのような行動を取るのかを想定し、その行動に移りやすい情報を、適切なタイミングで見れるように設計するのです。
ショップカードの目的として、ネットショップの会員登録、公式SNSのフォロー、メルマガの登録など顧客との繋がりを継続できるような仕組みが必要です。顧客がどのタイミングでショップカードを見て、何に興味を持ってどのような行動を取るのか、ショップカード一つをとっても各所を設計した作成が重要です。
カタログ・パンフレット
商品のカタログやパンフレットを同梱している企業様も多くおられます。商品に興味を持ってくれた顧客に対して、他の商品を一緒に販売したい(クロスセル)場合には効果があるかもしれません。しかし、マーケティングの観点から言えばカタログやパンフレットについてもしっかりと顧客動線を考えた上での構成が必要です。カタログやパンフレットを同梱するのであれば、そのものの目的をしっかりと決めておかなければいけません。
リピート購入しやすい設計もそうですが、そもそも見てもらう仕掛けも重要です。顧客はあなたが思っているほど、カタログやパンフレットに興味を示してくれないでしょう。あなたが伝えたい情報ばかり掲載していませんか?表紙は興味を引くものになっていますか?手に取りやすい大きさ、形ですか?
顧客が求めているものを適切に提供できれば、紙媒体のカタログやパンフレットでも大いに成果を発揮できるでしょう。弊社クライアントの中には、同梱しているパンフレットから20%以上の購入率を継続している企業様もおられます。商品が売れれば、その顧客の中の20%が同梱カタログから再購入してくれるという状態です。
サービス品、クーポン
同梱物は何もすぐ購入を促すことだけが目的ではありません。他でも述べたように、ネットショップの顧客が離れる一番の理由は「分からない、なんとなく」です。買わなかった理由は特になく、何も意識せずに他のウェブサイトで購入したり、街の他ショップで購入したりして離脱しているだけなのです。であれば、あなたがまず行わなければいけないことは、顧客に忘れられないことです。
サービス品やクーポンを入れることによって、顧客はお得感を感じます。ただ情報を見るのではなく、このお得感を演出することによって顧客の深層心理の中に少しでも深くあなたの情報を落とし込む事ができるでしょう。日常で使用できるようなサービス品をプレゼントしたり、ネットショップで利用できるクーポンコードを付属したりすることで、あなたのショップを知らなかった顧客に対して名前を覚えてもらうこともできるかもしれません。
直接的な利益を求めるのではなく、まずは関係構築ができる仕組みを整えましょう。
効果的なリピート創出には顧客のセグメントが重要
メルマガにしろ、SNSにしろ、しっかりとリピート購入の効果を出すためには効果的な配信ができなければいけません。効果が出ると聞いたからといって、ただ闇雲な配信をしてもイメージしているような成果を出すのは難しいでしょう。そこで、上の内容と繰り返しになりますが、リピート戦略を立てるためにまず顧客情報を分析します。
まず顧客リストを分析し、
- どのような年齢層の顧客が多いのか
- 新規購入の顧客はどの商品を購入しているのか
- リピート購入されやすい商品はどれか
- 商品の購入頻度はどれくらいか
を確認します。それぞれの情報をまとめた上で配信内容を決めていく必要があります。こう言ったセグメントはネットショップの顧客管理機能で行う事ができるため、しっかりと管理して定期的にアップデートしていく必要があります。
年齢別にセグメントした情報発信
最初に取り組みやすいのが年齢別の情報発信でしょう。顧客リストを年齢でセグメントし、それぞれの年齢に対して興味があるであろう情報を配信します。
いきなり商品販売の情報を発信するのではなく、対象となる年齢層の顧客がどのようなことに悩んでいるのか、困っていることはないかなどを考察し、その困りごとを解決するための案として自社の製品を紹介します。最初に悩みに寄り添う(共感する)コンテンツを用意することによって、顧客は「これは私に取って必要な情報だ」と感じてくれ、その後の情報を私ごととして読み取ってくれるでしょう。
ここで重要なのはただ単に年齢をセグメントするのではなく、その対象となる年齢の顧客が抱えている悩みや、商品を一度購入してくれた背景までを想定した情報発信をすることです。
商品を起点とした情報発信
最初に買ってくれた商品で顧客を分類しておくのも良いでしょう。購入してくれた商品ジャンルには、その顧客が求めている内容が隠れています。
一般的な商品(食料品、生活用品などの日用品)を販売していたとしても、数多くのショップからあなたのショップを選んでくれているということは、何かしら選ばれている理由があるということです。その理由は商品それぞれで違って当然でしょう。
極端に言えば、野菜を買った顧客と洗剤を買った顧客の求めていることは違って当然です。その両者に対して「この商品もおすすめですよ!」と言ったフライパンを販売しても売れるでしょうか?もしかすると野菜を買った顧客には売れるかもしれませんが、洗剤を買った顧客からすれば全く興味のない情報です。このように、顧客が購入してくれた商品を分析することは、その後に購入してくれる確率が高い商品を分類することに繋がるのです。
顧客リストの中から購入商品をピックアップできる場合、買ってくれた商品ごと(商品カテゴリーでも可)に顧客を分類して管理しましょう。それぞれのグループに対して別々のリピート戦略を立てていく事が、リピーターになってもらうための大きな施策になります。
リピーターを増やしてネットショップの売上・利益拡大を
ネットショップの売り上げを拡大しようとすると、いつまでも新規顧客にばかり目を向けて集客コストをかけてしまいがちです。やはり広告などの集客施策を実行して新規顧客が増えてくれると嬉しいものですし、当月の直接的な売上につながるため効果を感じやすいかもしれません。
しかし、総合的に売上・利益を拡大していくことを考えた場合、最初に述べた2:8の法則のようにリピーターを獲得することに注力すべきです。2割のリピーターがあなたのショップの売上の8割を作ってくれるのです。購入してくれるか分からない新規顧客を獲得するために集客コストをかけるより、8割の売上を作ってくれるであろうリピート顧客を大事にする方が健全な運営だと思いませんか?
リピート戦略は事業が成長している企業様のものだけではなく、新規に事業を始める、新規にネットショップを立ち上げる企業様でも最初から取り組むべきものです。上で述べているようにリピート戦略を作るためには様々な情報が必要となり、まずは情報を収集するための仕組みを作っておかなければいけません。その仕組みを初期段階から考えて設計しているか、何も考えず集客を始めているかは雲泥の差です。
昨今は飽和してきているネットショップの中で効率的に成果を上げるため、ちゃんとリピート戦略を取り入れていきましょう。
合同会社えいおうの
マーケティングコンサルティング
弊社ではウェブに限らず幅広いマーケティングのコンサルティング業務を行なっております。ネットショップ、サービスサイトなど様々なウェブサイトに対しての集客施策、販売施策、リピート施策、利益拡大のための設計を支援致します。