福井でホームページ制作の費用を調べると、「相場は50万円前後」という説明によく行き当たります。ところが県内の制作会社15社の公式サイトを実際に開いてみると、金額を公開しているのは4社だけでした。しかもその4社の中身を並べると、同じ「トップページ+詳細3ページ」で約30万円と約50万円に割れています。
相場の一言では、自分の見積が高いのか安いのかを判断できません。この記事では、2026年8月27日時点で公開されている福井県内の実際の金額を並べ、価格差がどこで生まれているのかを分解します。見積書のどの行を質問すればいいかも、あわせて書きます。
福井のホームページ制作費用は30万円から120万円に開きます
福井県内で金額を公開している制作会社の料金を並べると、コーポレートサイトの制作費は約30万円から約120万円の範囲に収まります。下限はテンプレートやノーコードツールを使った5ページ前後の構成、上限はフルオーダーのデザインに更新機能とフォームを載せた構成。「相場50万円」はこの幅の真ん中あたりを指しているにすぎず、条件しだいで上下どちらにも倍近く動きます。
2026年8月27日に各社の公式サイトで確認した金額が、次の表です。
| 会社 | 所在地 | 公開している制作費 | 月額 |
|---|---|---|---|
| サーフボード | 福井市 | フルオーダー70〜120万円/ノーコード(Studio)40〜70万円 | 記載なし |
| TONOSAMA | 福井市 | テンプレート15万円〜(3ページ)/オリジナル32.8万円〜(5ページ)/WordPress搭載40.8万円〜(6ページ)※税別 | 管理費0円(サーバー・ドメイン年1万円) |
| アスタワークス | 福井市 | 20〜80万円(税別)、最も多い受注は30〜40万円 | なし(更新は都度見積) |
| はちむすび | 坂井市 | 積み上げ式(企画5.5万円〜+トップページのデザイン3.3万円〜+下層1.1万円〜など・税込) | 管理5,500円〜/育成11,000円〜 |
サーフボードは構成ごとの見積例も出しています。ランディングページ1枚ならフルオーダー約40万円、ノーコード約24万円。商品50点のネットショップはASP型で約120万円からで、独自のカートと受注管理システムを組むと約350万円からです。作るものが変わると、桁がひとつ動きます。
自社の予算感を決めるときは、この幅のどこに自分が立っているのかを先に確かめたほうが早く進みます。全国的な水準を知りたい場合はホームページ制作の費用相場と失敗しない進め方で整理しています。
同じページ数なのに金額が2倍違う理由
ページ数が同じでも金額が倍近く変わるのは、デザインをゼロから起こすか、既存の仕組みに載せるかという作り方の違いによるものです。サーフボードが公開している見積例に、その差がそのまま出ています。同じ「トップページ+詳細3ページ」で、フルオーダーなら約50万円から、ノーコードツールのStudioを使う場合は約30万円から。
作り方は大きく3つに分かれます。
- テンプレート型:あらかじめ用意されたデザインに文章と写真を流し込む。TONOSAMAのテンプレートプランは3ページから15万円(税別)
- ノーコード型:StudioやWixなどのツール上で組む。デザインの自由度は上がるが、ツールの仕様を超える動きは作れない
- フルオーダー型:デザインを描き起こし、HTMLとCSSで実装する。サーフボードで70〜120万円
同じ見た目に近づけても、フルオーダーは作業時間が2倍以上かかります。逆に言えば、テンプレートで済む要件なのにフルオーダーの見積が出てきているなら、その理由を聞いていい場面です。営業の商談で使う資料としてデザインの完成度が売上に直結するのか、それとも会社の存在証明として最低限そろっていればいいのか。ここが決まっていないと、どちらの見積が適正かを判断できません。
見積を膨らませているのはページ数ではなく更新できる箇所の数
制作費を押し上げている最大の要因は、ページ数ではなく自分たちで更新できる箇所をいくつ作るかです。サーフボードの見積例を順に見ると、この構造がはっきり出ています。
| 構成 | フルオーダー | ノーコード |
|---|---|---|
| トップページ+詳細3ページ | 約50万円〜 | 約30万円〜 |
| 上記+更新箇所1つ | 約75万円〜 | 約45万円〜 |
| トップページ+詳細5ページ+更新箇所2つ+フォーム1本 | 約120万円〜 | 約70万円〜 |
更新できる箇所を1つ足すだけで、フルオーダーで約25万円、ノーコードで約15万円が乗ります。管理画面から書き換えられるようにするには、入力欄を設計して、その内容を表示する仕組みを作り、写真の縦横比が崩れないように調整する作業が必要になるためです。
ただし、同じ「更新機能」という言葉でも会社によって金額が大きく違います。はちむすびの積み上げ単価では、WordPress導入が1サイト33,000円(税込)、WordPressのカスタマイズが1点16,500円(税込)です。数万円で済む見積もあれば、20万円を超える見積もある。言葉が同じでも、中身が同じとは限りません。見積書に「CMS構築」「更新機能」と書かれていたら、具体的にどのページのどの部分を、誰が、どんな画面から書き換えるのかを聞いてください。ここが曖昧なまま契約すると、公開後に「そこは触れません」となりがちです。
なお、お知らせやブログを自分で書き換えたいだけなら、WordPressを入れるのが最も安く済むケースが多くあります。WordPress制作で失敗しない進め方に、依頼先の選び方をまとめました。
初期費用だけで比べると5年後に順位が入れ替わります
制作費を比べるときは、初期費用と月額を足した5年分の総額で並べ直してください。月額5,500円の差は5年で33万円になり、初期費用33万円の差とちょうど釣り合います。福井県内でも月額の設定は会社ごとに違います。
公開されている金額で5年分を計算してみます。税別で表示されている金額は税込に換算し、サーバーとドメインの費用は両方に同額を足して条件をそろえました。
| 内訳 | TONOSAMAのWordPress搭載プラン | はちむすびの積み上げ(5ページ相当)+育成プラン |
|---|---|---|
| 初期費用 | 448,800円(税別408,000円・6ページ) | 258,500円(企画+デザイン+実装+WordPress+フォーム) |
| 月額 | 0円 | 11,000円(5年で660,000円) |
| サーバー・ドメイン5年分 | 55,000円 | 55,000円 |
| 5年総額 | 503,800円 | 973,500円 |
※金額はすべて税込。サーバー・ドメインは年11,000円で計算しています
初期費用では約19万円安いほうが、5年では約47万円高くなります。ただしこれは、どちらかが割高だという話ではありません。はちむすびの育成プランには運用の支援が含まれており、TONOSAMAの管理費0円は「更新も相談も自社でやる」前提です。含まれているものが違うのに、初期費用の数字だけで並べると判断を誤ります。
月額を払う価値があるかどうかの分かれ目は、公開後に更新する予定があるかどうかです。年に数回しか触らないなら管理費0円が合理的ですし、月に何度も情報を出すなら運用込みのほうが結果的に安く付きます。運用を外に出す場合の費用はホームページ運用代行の費用相場で整理しました。
福井で料金を公開している会社は多くありません
福井県の制作会社を紹介する記事に載っている15社の公式サイトを実際に開いたところ、具体的な金額を出していたのは4社でした。9社は金額の記載がなく、1社は金額はあるものの内訳がページ上で読み取れませんでした。残る1社はドメインごとサイトが消えていて、アクセスできませんでした。
紹介記事に載っている情報が、そのまま使えるとは限りません。今回の確認では、坂井市の会社として紹介されていた1社が、公式サイトでは東京都渋谷区に本社を置いていました。別の1社は、紹介記事では鯖江市、公式サイトでは敦賀市と、所在地が違う市になっていました。問い合わせ先を決める前に、公式サイトの会社概要を自分で開いて確かめてください。
金額が非公開の会社に見積を頼むときは、次の順で聞くと比較できる形の回答が返ってきます。
- 予算の上限を先に伝える。「50万円まで」と言えば、その中で何ができるかの提案に切り替わります
- ページ数ではなく「自社で更新したい箇所」を挙げる。前章のとおり、ここが金額を決めます
- 制作費と月額を分けて出してもらう。合算の提示だと5年で比べられません
- 写真と原稿をどちらが用意するかを確認する。撮影と執筆を依頼すると数万円から数十万円が動きます
- 公開後に自社で触れる範囲を書面で確認する
見積の妥当性は、はちむすびが公開している積み上げ単価を物差しにすると自分で検算できます。税込で、企画・設計・進行が55,000円から、デザインがトップページ33,000円から・下層ページ1枚11,000円から、実装もトップページ33,000円から・下層ページ1枚11,000円から、WordPress導入が33,000円から、問い合わせフォームが16,500円から。トップページ+下層4ページにWordPressとフォームを付けると、合計258,500円という計算になります。手元の見積がこの3倍を超えているなら、その差が何なのかを聞く根拠になります。
補助金でホームページを作る前に確認する4つの条件
ホームページ制作に補助金を使う場合、制作費の全額が対象になるわけではありません。小規模事業者持続化補助金の第20回公募要領(第8版)を読むと、ウェブサイト関連費には次の制限がかかっています。
- ウェブサイト関連費の交付申請額の上限は30万円(税込)。補助上限が50万円の通常枠でも、サイト制作に充てられるのは30万円までです
- ウェブサイト関連費だけでは申請できません。展示会出展費や機械装置費など、ほかの経費と組み合わせる必要があります
- 補助事業期間内に運用が始まらなかったホームページは対象外です。制作が長引いて公開が期間を過ぎると、補助金は下りません
- 50万円(税抜)以上で作ったサイトは処分制限財産に当たり、通常5年間、目的外での使用・譲渡・廃棄が制限されます。ただし補助事業の目的を果たすための改良や機能強化は処分に当たりません
もう一つ、見落としやすい規定があります。ウェブサイトやシステムに関するコンサルティング費用・アドバイス費用は対象外です。制作費は対象でも、その前段の戦略設計を別料金で頼む場合、そこは補助されません。一方でSEO対策は「効果や作業内容が明確なもの」なら対象になり、商品を売るための宣材写真の撮影費も対象に入ります。
第20回の申請受付は2026年11月5日から12月15日17時まで。商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)の受付締切は12月4日で、この日を過ぎるといかなる理由でも発行されません。申請は電子申請のみで郵送は受け付けず、GビズIDプライムのアカウントが必要です。取得には日数がかかるので、制作会社を探すのと並行して進めてください。
福井県独自の制度も確認しました。「ふくいDX加速化補助金」は上限400万円・補助率2分の1(小規模事業者は3分の2)と手厚い制度ですが、2026年度の募集は6月30日で終了しています。対象経費として挙げられているのも機械装置・情報システム・パッケージソフトウェア・クラウドサービスで、ホームページやECサイトの構築は列挙されていません。ホームページ制作に使える福井県の制度として紹介されているのを見かけることがありますが、県が公開している要領の記載とは一致していないので、そのまま当て込まないでください。
このほか福井県には「企業活動分析による収益力強化事業補助金」があり、第9回は2026年7月15日から8月28日までの募集で、通常枠が補助率3分の2・上限100万円、前向き枠が上限200万円(申請時に従業員5人以上が必要)という条件でした。対象経費に機械装置・システム構築費と外注費が含まれるため、EC構築などを当てられる可能性があります。ただし制度ごとに解釈が異なるので、申請前に地域の商工会議所か商工会に、その見積で通るかを確認してください。
予算30万円、50万円、100万円で現実に手に入るもの
ここまでの実額をもとに、予算ごとに何が手に入り、何が落ちるのかを整理します。金額はいずれも制作費のみで、サーバー代と写真・原稿の準備費は含みません。
| 予算 | 手に入るもの | 落ちるもの |
|---|---|---|
| 30万円 | 5ページ前後のコーポレートサイト。テンプレートまたはノーコード。スマートフォン対応と問い合わせフォーム | オリジナルのデザイン、自社で更新できる仕組み、撮影 |
| 50万円 | フルオーダーのデザインで4ページ前後。またはノーコードで更新箇所1つ付き | 複数の更新箇所、採用ページなどの追加コンテンツ |
| 100万円 | フルオーダーで詳細5ページ、更新箇所2つ、フォーム1本。ノーコードなら同じ構成に撮影や原稿制作を足せる | 独自のカート、受注管理システム、会員機能 |
ネットショップを作る場合は別の水準になります。ASP型(BASEやShopifyなど既存のサービスに載せる形)で商品50点なら約120万円から、独自のカートと受注管理システムを組むと約350万円からです。
予算が足りないと感じたときに削るべきは、ページ数ではありません。写真と原稿を自社で用意すること、更新箇所を1つに絞ることの2つで、10万円から30万円が動きます。逆に、スマートフォン対応とSSL(通信を暗号化する仕組み)は削らないでください。SSLに対応していないサイトは、ブラウザのアドレス欄に「保護されていない通信」と表示されます。見に来た人がそこで引き返します。
合同会社えいおうがホームページ制作でお伝えしていること
合同会社えいおうは福井県大野市を拠点に、中小企業と個人事業の事業成長を支援しています。ホームページ制作の料金は、更新機能のないミニマムプランが220,000円から、WordPressを入れて自社で更新できるプランが330,000円から、ネットショップが550,000円からです(サーバー・ドメイン費用は別)。
料金表を公開しているのは、金額が見えないと比べようがないからです。そのうえで、見積の前に必ず聞いていることが2つあります。ひとつは公開後に誰がどれくらいの頻度で更新するのか。もうひとつは、そのサイトで何件の問い合わせが必要なのか。この2つが決まると、更新箇所の数と、検索でどのキーワードを取りにいくかが決まり、見積の形が定まります。
検索から問い合わせを増やす設計についてはSEO対策の実践手順にまとめました。制作の内容とお見積りのご相談はホームページ制作サービスからお受けしています。